イラストスクール PALETTE CLUB SCHOOL

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第一線で活躍するプロフェッショナルが直接指導にあたるイラストスクールです。
cool 活躍中の卒業生に聞いたパレットクラブの魅力
あずみ虫 6期イラストコース卒業
あずみむし…神奈川県生まれ。HBファイルコンペVol.16鈴木成一賞。第5回TIS公募大賞。アルミを使った個性的なイラストで多方面で活躍中。
http://azumimushi.com/ ----------

●パレットクラブ スクールに通うきっかけ

イラストレーターに対する憧れはあったんですが、普通に働いていました。でも、やっぱりイラストレーターになりたいなと思って。一人で描いていると絶対に挫折するな、一緒に絵を描く友達がほしいなと思って、パレットに入りました。パレットは開放的な感じがして間口が広かった。黄色いドアがよかったんです。

●授業

色んな先生がいて、可能性を広げてくれて、自分の道を見つけるのによい場所になりました。台風のとき以外は全部出席して、課題も全部やっていました。課題が出る授業はやりがいがあって、特に面白かったです。聴講もよくしましたね。
安西水丸さんの批評の一つひとつがど真ん中だったことに驚きました。好き嫌いではなく、その人にぴったりの言葉をかけてくれました。原田治さんの授業は、プロとしてお仕事をしていくという視点で批評されるのが面白かったです。みうらじゅんさんの授業で感じたのは、すごく好きなことがあるのは武器になるんだなということ。そこからいろんなことが広がるんだなって。
今はアルミを切って絵を描いていますが、ブリキを切ったらパチっとはまった。それまで毎日絵が変わっていて、自分がどこに向かうのかわからなかったけど、ブリキを切ったら自分の行きたい方向が見えた。細かく描きすぎていたのもブリキがセーブしてくれて、味を出してくれるから、個性も気にしなくなった。

個性を出そうとしてもうまくいかないんです。うまく出そうとするのが間違っていたんだなって気がつきました。とても難しいんだけど、自然に自分の絵をスルっと出す感じがいい。絵ってそういうことなんだなって最近よく思います。
自分の絵を変えるのは、出会いが大事だと思います。どんな絵と出会うのか、どんな人と出会うのか。
パレットで色んな絵や人と出会うことができたのは、本当にステキな体験だったと思います。

●影響を受けた作家

R・Aミラー。絶版『アトランタの案山子、アラバマのワニ』(安西水丸/文 小平尚典/写真)に出てくるブリキを使ったフォークアートの人です。ちなみにうちの猫はこの人からとって「R」という名前です。あとは、アレックス・カッツ、藤田嗣治、金子國義、マティス、ホックニーですね。

●仕事

パレットの卒展でみんなで作った作品の冊子をいろんなところに送ったんです。それを見てくれたku:nel編集部の方から連絡があって、映画コーナーのイラストを描いたのが最初の仕事です。
その後は公募や売り込みなどをして『イラストレーション』のアートディレクターの大久保裕文さんのチョイスで準入選したり、2005年のHBギャラリーのファイルコンペで鈴木成一賞を取ったりしたこともあって、お仕事をいただくようになりました。

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装幀の仕事
右 小説雑誌『星星峡』(幻冬舎)
中『夫の火遊び』
著/藤堂 志津子 (集英社)
左『めぐり逢えたはずなのに』著/アレクサンドラ グレイ(ソニーマガジンズ )

イラストのお仕事を始めて、30歳になってから、自分の絵がまた変わりました。細かいことにとらわれなくなって、客観的に見られるようになった。エゴが少しなくなってきた感じですね。
今は、NHK教育テレビのてれび絵本『えほん寄席』のアニメーションの絵を描いています。12ページくらい描くと、オペレーターの人がCGで動かしてくれます。そのほかは本の装丁が多いです。やってみたいのはやっぱり絵本。それから、かっこいい広告もやってみたいです。

●生徒さんへのアドバイス

展示などをたくさん見に行ったほうがいいですね。どこに何があるかわからないですから、出会いを大切にしたほうがいい。アルバイトなど日々のことで忙しいこともあるかもしれないけど、時間を作っていろんなところに行くことにはそれだけの価値があります。私はパレットで一流の講師の先生や、色んな絵を描く人たちに出会ったのがよかったと思っています。色んな人の絵を見て、色んなものに興味を持って、自分の好きなもの以外にも目を向けることが大切だと思います。

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板谷龍一郎 2期イラスト基礎コース卒業
いただに・りゅういちろう…大阪生まれ。パレットクラブ卒業後、ロンドンに留学。国内外でアーティストとして活躍中。現在はベルリン在中。
http://www.ryuitadani.com/ ----------

●パレットクラブ スクールに通って

大学4年生の時に留学を希望していて、雰囲気がよかったのと講師の名前を見て、ここにしようと決めました。
入学してみて、講師の先生と直接話ができて、疑問に思っていたことを聞けたのがよかった。その人に直接会わないと分からない、ということが分かったのもいい経験でした。たくさんの人の話を聞くことで、自分の好き嫌いもはっきり分かったし、自分の好みが分かってよかった。

●授業

ヒロ杉山さんが言っていた「自分たちプロが毎日描いているのに、プロになりたいなーという人たちが毎日描いていないのはおかしい」というのが印象に残っています。上田三根子さんに聞いてコピックを試したり、コピー用紙を使ってみたり。先生がこういう画材を使っていると聞けたのがよかった。自分でもいろいろ試してみて、好きか嫌いかを知りました。原田治さんには「魚屋は魚に詳しくて、八百屋は野菜に詳しい。だからイラストレーターはどんなイラストレーターがいるのか詳しくなきゃいけない」と言われました。

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銀行員になる人は銀行に詳しくなきゃいけない。当たり前の話なんだけど、とても新鮮に感じました。赤勘兵衛さんの授業で、好きなものを紙粘土でつくる課題があり「カンパリ」を作ったらすごく褒められて、調子にのって10個くらいシリーズをつくって見せに行ったこともありましたね。
また、印刷される前のものを見せてもらえたのが面白かったです。原田治さんの原画を見せてもらえたり。

●ロンドン

パレット卒業後、セントラルセントマーチン大学グラフィックデザイン学科のイラストレーションのコースに4年間、通いました。自由な学校で、映像や立体、何でもアリ。学んだのは考えて作品をつくるということ。なぜそういうふうにつくったのか。プレゼンテーションの仕方。コンセプトをつくれ、スケッチをたくさんしてアイデアを探せと言われました。学生の雰囲気が日本とは違っていて、楽しかったです。

●作品

今は、線は手で描いて、スキャナーで取り込んでPhotoshopで色を塗っています。手法は作品が大きかろうが小さかろうが一緒です。パレット時代、人間だけ描いてたら、原田さんに「風景も描けば」って言われたんです。それで描いて見てもらったら「そういうのはコンピューターで塗れば」って。そんなふうにパレットでは、個人的にああだこうだと言われたのがよかったなと思います。
昨年のテーマは「自然」です。街と物に興味があるから、ずっと描いていくと思います。基本的に自分が気になっている線、輪郭を描いている感じです。

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左 『GARCIA MARQUEZ gauche』
右 『OMOTESANDO HILLS』

●仕事

表参道のフリーペーパーの『アカリウム』を見て気に入ってもらって、一昨年の年末に表参道ヒルズの広報の方から依頼が来ました。その年は「街」というテーマで描いていて、仕事でも何を描いてもいいよと言われたらとにかく街を描いていました。それで表参道ヒルズの方が1周年のアートワークを探していたときに、目に留めてもらった感じです。
今は朝日新聞の夕刊のカットを描いています。『正蔵のTOKYO歳時記』という連載で、正蔵さんの話を聞いて、カットを描く仕事です。人の話を聞いて自分なりに考えて絵にする仕事が楽しいですね。
今後は、新聞が好きだから、いつか新聞小説の絵を描きたい。あとは大きい絵を描きたいなあと思っています。
今年の春には丸の内ギャラリーで個展の予定があります。

●イラスト基礎コースの講師を経験して

授業では、ロンドンの学校でやった課題を出しました。
生徒さんに言いたいのは、好きで来ているのだから、課題はやってきたほうがいい、ということ。ヒロ杉山さんも言っていたように、なりたいなら描かないといけないと僕も思います。

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シゲタサヤカ 7期絵本コース卒業

しげたさやか…神奈川県生まれ。短大卒業後、印刷会社勤務を経 て、09年『まないたにりょうりをあげないこと』(講談社)で絵本作家デビュー。2010年第2回MOE絵本屋さん大賞・新人賞3位。
http://akamochi.net/

●パレットクラブ スクールに通うきっかけ

雑誌で広告を目にしました。短大卒業後に入った印刷会社を3年で辞め、フラフラと…本当に何もせず1年位ダラダラと過ごしていた時期のことです。特に絵の勉強経験はなかったのですが、絵を描く事が好きでイラストレーターという職業にも憧れていたため、イラストコースに通ってみようかなぁ…と。しかし、じっくり募集要項を読んでいくうちに絵本コースの紹介に心をわしづかみにされました!講師一覧に子供の頃大好きだった絵本作家さんたちのお名前がズラリ!「あの人も!この人も!ここに通えば会えるんだ!」…ということで、かなり不純な(?)動機で絵本コースに通うことを決めました。偶然とはいえこの選択をして本当に良かったと思っています。どうやら私にはイラストレーションよりも、絵本という表現方法が結果的に合っていたみたいで…。

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●パレットクラブ スクールに通って

通い始めて割と早い段階で、本気で絵本作家を目指そうと思いました。授業を受けてみて「絵本って面白い!」と心から思うようになったからです。それぐらい現役の編集者さんや絵本作家さんたちのお話は面白く、グイグイその世界に引き込まれました。それから何よりも良かったことは、一緒に頑張っていけるステキな友達ができたこと。

聴講制度のおかげでコースの垣根も越えて様々なジャンルで頑張っている人たちと出会えました。今でもお互いに刺激し合える良い仲間です。

●授業

編集者の松田素子さんの授業では絵本づくりの基礎となる大切な事をたくさん教えていただきました。「絵本を1冊作るのは家を1軒建てるのと同じ。肝心な土台と柱がしっかりしていなければ、どんなに飾り立ててもアッと言う間にその家は倒壊してしまいます。絵本も一緒。だからまずは柱にあたる“設定やお話”の部分を大切に!」という言葉が忘れられません。今でもこの言葉を思い出しては「この柱(お話)で大丈夫かな? 途中で倒れないかな?」って何百回も文章を読み返しながら絵本を作っています。スズキコージさんの授業では、ものづくりの楽しさを言葉ではなく実際に一緒に手を動かすことで教えていただきました。

●最初の仕事

卒業してすぐに、同じ絵本コースの友人に連れられてソフトバンククリエイティブ株式会社に伺ったのがきっかけで、WEB絵本のプロデューサーに作品を見ていただくことができ、パレットクラブの卒業制作で描いた『おいしいバケモノ』という絵本をインターネット上で公開していただきました。これが最初の仕事です。WEB絵本ということで、アニメーションのような動きやBGM、吉本興業の芸人さんによるナレーションまで付けていただき、とても楽しい作品になりました。商業出版としての最初の仕事は『まないたにりょうりをあげないこと』という絵本です。こちらは講談社絵本新人賞で3年続けて佳作を受賞したことがきっかけでした。

●仕事

昨年『りょうりをしてはいけないなべ』(講談社)という二冊目の絵本を出版することができました。実はこの絵本、デビュー作と同じレストランが舞台で、有り難いことにシリーズ化させていただき、現在は第三作目を描いています。他、以前テレビ神奈川でテロップ制作のアルバイトをしていた関係で声をかけていただき、番組CMのイラストレーションを手がけました。15秒間フルで絵を使っていただきとても嬉しかったです。今後やりたい仕事は、やはりまだしばらくは絵本!「面白い!」って笑ってもらえるような絵本をたくさん作っていきたいです!

●講談社 塩見亮さんとの絵本作り

パレットクラブの講師でもいらっしゃる講談社の塩見さんには、デビュー作『まないたにりょうりをあげないこと』でお世話になりました。基本的にとても自由に楽しく描かせていただきました。しかし、ここぞという大切なポイントから私が道を外しかけている時にはとても分かりやすく意見をしてくださいました。個人的に思い入れのあるシーンでも、塩見さんは「このシーン、いらないです」ってバッサリ(笑)。「ここ描きたかったのになぁ…」なんて内心落ち込みつつも、考え直して別の新しいシーンに差し替えて見てもらったところ「こっちの方が断然いいですね!」って。見比べてみたら「ハッ!本当にこっちの方が面白くなってる!」と描いた本人もビックリ!そういうやりとりを何度も重ねていき、最終的に一番良い形で出版することが出来たので、塩見さんには感謝の気持ちでいっぱいです。そうそう…例の描き直したシーンは読者のみなさんにも好評で「このシーンが好きです」って言われることも多いのですよ。

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『りょうりをしてはいけないなべ』
『まないたにりょうりをあげないこと』
著/シゲタサヤカ(講談社)

●生徒さんへのアドバイス

1 まずは皆勤を目指してください。働きながら通う方も多いので大変だとは思いますが、とにかく授業は面白いです。ためになります。休んだら損しますよ。

2 先生にだけではなく、生徒同士でも積極的に作品を見せ合ったり意見交換をしてみてください。そのうち、ふと気付けばずっと一緒に頑張っていける良い仲間同士になっています。

3 すぐに結果が出なくても諦めないでください。私も最初の絵本を出すまで、卒業してから5年以上かかりました。その間はパレットクラブで得た色々なものに支えられました。本気で描き続けていれば、ジワジワと後から結果はちゃんとついて来るはずです。

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信濃八太郎 4期、5期イラストコース卒業
しなの・はったろう…1974年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科舞台装置コース卒業。最近はダンスの舞台美術でアニメーションを作る。雑誌、書籍、広告などでも活躍中。
http://www.shinanohattaro.com/ ----------

●パレットクラブ スクールに通うきっかけ

日大の演劇学科の舞台美術コースに通ったけど、すぐに挫折してこの世界ではやっていけないなと思ったときに、大学の安西水丸ゼミに出るようになりました。卒業して社会に出たら、仕事が忙しくなってストレスになっていたところ、パレットの広告を見て、うちの近所で面白いことがあるんだーと思って見学に行きました。
深い考えがあって行ったわけでもなく、水丸先生によく褒めてもらっていて、また仕事の合間にそんな感じをまた味わえたらいいなって。授業では全然褒めてもらえなかったんだけど(笑)。子供の時から絵を描くのが好きで、クラスで上手い人と扱われ、そのまま勘違いしてました。
見るのは好きだったけど、自分がイラストレーターになりたいとは思っていなかった。でも通ってすぐに、イラストレーターとして仕事ができたらいいなって思うようになりました。

●パレットクラブ スクールに通って

まずロケーションがいいですね。見学に行ったのが夜で、人気もなくて、オレンジの光があって、扉を開けるとバーがあって、秘密のアトリエみたいなところで、授業が受けられるのがうれしかった。聴講ができるのもよかったし、コース外の友達もたくさんできて、今でも付き合いがあります。 家も近かったので、よく聴講にも行っていました。当時、25、26才で、人の言葉に飢えていたから、たくさんいろんな人の話を聞けるのが楽しかったです。最初の期が終わったときにもう少しつっこんで勉強してみたいなと思っていて、もう1期通うことになりました。

●授業

原田治先生の最初の授業で、出版界の現実の話、成り立つイラストレーションについて話を聞いて、落ち込んだりもしました。でも、ただ絵を描いて楽しいのではなく、それを続けていくにはどうしたらよいかを考えるきっかけになりました。

水丸さんの授業では、講評するときに、絵だけでなく、名前をそれぞれ呼んで、どういう人かを確認してから講評を始めていました。どういう人が絵を描いているのか見るために。人間の魅力があって、その人の絵があるんだなと知りましたね。

●最初の仕事

婦人之友社の雑誌のカットが最初の仕事ですね。それと、知人の紹介で、ベネッセの教育用の小さなカットを2年間やっていました。当時、自由学園明日館の修理工事の事務仕事を6年弱していました。その後に2年だけ、絵だけで食べていました。2年間カットの仕事ばかり描き続けていて、充実感もあったけど、なんとなく自分の絵を真似するように感じていた時期でした。それでファイルを作って売り込みに行こうかと思っていたときに、水丸さんにファイルを見せたら、「こんな絵を描くんじゃダメだな」と言われ、目が覚めました。 今までの仕事をするのがいやになっていたら、自然に仕事が減って来た時期があったので、絵の仕事はすべて辞めて、ペーターズギャラリー、パレットクラブでも働きだしました。ギャラリーで働いていると毎週作家さんがいらっしゃいます。その方たちと話をしているうちに、自分の絵に対しても客観的に見られるようになって、自分の好きな絵を描こうと思うようになりました。半年くらい描かなかったんだけど、また落書き気分で描くようになり、絵がたまったので、2005年の9月に個展をしてから、仕事をもらうようになりました。

●仕事

雑誌『GQ』、『野生時代』、ヤマハ音楽教室の広告などをやらせてもらいました。『CasaBRUTUS』では絵を紹介してもらいました。『カクテルのホントのうんちく話』(柴田書店)の表紙、中のカットなども手がけました。
今描いているのは、手描きで描いて、パソコンに取り込んでいます。展覧会のときは、シルクで刷ったりもします。構図を決めると描けないから、後からパソコン上で構図を考えたりしますね。
作品はモノクロが多いです。モノクロにこだわっているわけではないんですが、線画が好きで、いい絵を描きたいと思って線画ばかり描いていたら、仕事をするようになって。

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GQはカラーの依頼だったので、描いてみたら楽しかったので、もう少しカラーで描いてみたいなと思います。
最近は自分の絵を取り込んで、簡単な動画みたいなものを作るのにハマってまして、ダンスの人たちの舞台美術としてアニメーションを作ったりしています。自分の好きな曲に絵をつけたら楽しいかなと思って。子供のころに作ったパラパラマンガの感動を再び、みたいな感じで楽しくって、友達に見せたりしたのが始まりです。一昨年の5月にはウクライナのダンスフェスティバルに出展。ウクライナの人たちの前で発表してきました。韓国、アメリカ、スウェーデンなど、各国のダンスの人たちが参加しているイベントです。その後、エッセイストのパーティーやパーカッション、ヘアスタイリストのイベントでも上演しました。これからは、映像の仕事をやってみたいです。自分でストーリーを考えて、アニメーションを作ってみたい。今までイラストレーションがそんなに関わっていなかったところで仕事をしたいんです。イラストレーションの裾野を広げていけたらいいなって思っています。

●影響を受けた人

長新太さん、和田誠さん、安西水丸さんです。『NEW YORKER』のカット集、カバー集。そればっかり飽きずに毎日見ていました。ベンシャーン、スタインバーグ、サンペも好きですね。

●生徒さんへのアドバイス

いつも後ろから眺めていて思うのは、早いうちから飲みに行ったり、仲良くなっちゃったほうが絶対1年が楽しくなる。そういう繋がりができるのが教室の魅力でもある。みんな自分の絵を見せにきているわけだけど、他人の絵にももっと興味を持って、どんどん話すとクラスの雰囲気もよくなって、仲良くなったクラスはレベルも上がってくると思います。

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霜田あゆ美 2期、3期イラストコース卒業
しもだ・あゆみ…横浜生まれ。07年HBファイルコンペ日下潤一賞。刺繍、貼り絵、版画など色々な手法を使ったイラストで多方面で活躍中。
http://asimo.petit.cc/ ----------

●パレットクラブ スクールに通うきっかけ

子供の頃は絵が好きだったんですが、美術系の学校には進みませんでした。でもイラストを見るのは好きでした。
短大卒業後は画材店に勤めたのですが、8年くらいした頃、友だちが欲しいなあと思って安西水丸さんのイラスト塾に通いました。もうすぐ30歳になるというあせりもあって。そこでゲストで来たデザイナーさんに、「美大生などのたくさん絵を描いた人にはかなわない」と言われ、学校に行きたいなあとおもいました。見学に来て、築地の場外市場にあるのが気に入ってパレットに通うことに。父が魚屋なので親しみが湧いたんです。

●パレットクラブ スクールに通って

色々な先生がいて、コメントも先生によって違うから、戸惑ったり落ち込んだりもしたけど、新しいイラストを描く環境が楽しかったです。気になる絵の人には声をかけて友だちになって、帰りに絵について色々と言い合ったり。でも、イラストレーターになれるのかなあって感じで意識は低かったです。そんなときにHBギャラリーのファイルコンペで藤枝リュウジ特別賞を受賞してしまい、実力もないのに賞をもらってどうしようと思って、鍛えなくては!ともう1年通うことにしました。2年目は楽しいだけでなかったけど、自分の絵を冷静に見られました。同級生が違うから、飽きることはなかったですね。すでに仕事をしていて、ステップアップしたくて来ている人もいたから、刺激にもなりました。

●授業

河村要助さんの風景という課題の授業。「コタツの上で描いているようだね」と言われて自分でもアッと思い、へこみました。イラストレーターになりたいという強い思いがなくて、それを見透かされた気がしました。自分は甘いなあと。それからは、色んなイラストレーターの仕事をたくさん見て、意識が変わりました。

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森本美由紀さんが、誰かの質問に「安定した収入を求めるならやめといたらー。
イラストレーターは波があるからそういうのも楽しめないとしんどいと思うよ」とさらっと言われました。そういうことは考えてなかったから、覚悟しとかなくちゃいけないなって思いましたね。絵のスタイルが違うヒロ杉山さんに「面白いよ」と言われたときには驚きました。先生方は自分と違う感じの絵でも、ちゃんと見えているんだなあと思いました。

●仕事を始めて役立ったこと

打たれ強くなりました。自分の絵をたくさんの先生方に見てもらって、色々言われたことが身に付いてるんですね。ときには、何回もラフを出したり、ダメ出しされたりと悪戦苦闘する仕事があります。そういうときに、乗り越えていく筋肉みたいなものが鍛えられていたんだと思います。
自分の絵を講評されるなんて、心臓がバクバクしていたけど、世の中に出ていったら、たくさんの人が見るのだからそんなことでは仕事にならない。パレットの授業でちゃんと筋トレができていたんですね。
パレットに通っている頃から、常に新しい自分の描き方を探していて、ファイルに毎回同じ絵は入れないで、1枚、2枚でも新しい絵を入れて、講評してもらいました。常に探している。それが今も続いていて、貼り絵、切り絵、刺繍、版画など色々挑戦しています。紙版画とかやってみたいなと思ったら、すぐにやってみる。そういうのが癖になっているんです。なんでも試してみればいい。仕事をすると「このタッチで」と言われるけれど、学校にいる間は自分のスタイルはどんどん変えていっていいと思います。そうやって、自分を探す時期なんじゃないかと思います。

●仕事

チキンラーメンの雑誌広告を3月まで1年間担当しています。他にはオレンジページ、ベネッセなど子供向けのカットも多いです。ほんとは毒があるのに、赤ちゃんやほんわかファミリーの依頼があるんです(笑)。
個展に見に来てくださったのが縁で、夏石鈴子さんの装丁やエッセイの挿し絵も手がけました。いろんなところで、縁はすごく感じますね。有り難いです。色々なタッチがありますが、増やしていこうというつもりはなくて、いろいろと探しているうちに、こうなりました。ほんとは鉛筆1本でいい絵が描けたらいいんですけどね。違う手法をやることで、また線画に戻ったときに影響があればいいなと思っています。

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イラストレーターはたくさんいるから、その中で自分がどういう絵を描いていったらいいのか、常に考えています。

●最初の仕事

最初は臆病で友だちに『ダヴィンチ』編集部へ営業に連れて行ってもらいました。そこで扉絵の仕事を頂いたのが最初です。その後はちゃんと1人で持ち込みに行かれるようになりました(笑)1年目は営業成績がよかったのですが、だんだん依頼がなくなってきて、落ち込んでいたときに、HBギャラリーで個展をしました。それがきっかけになって、絵が変わったとおもうし、見に来てくださった方から仕事の依頼があって、なんとか浮き上がった感じですね。あの個展をやらなかったらダメでした。
パレットに2年通った後は、スタッフとして1年働きました。その後、アルバイトをしながらイラストの仕事を続けてきましたが2年前に辞めて、今はイラストの仕事だけで生活しています。

●影響を受けた人

中野翠さん。19才のときにコラムを読んで以来ずっと影響を受けています。映画や本や落語や…。辛口なところも好きです。あと、グランマ・モーゼス、斉藤けさ江さん。2人とも70才から絵を描き始めた人です。とてもいい絵をたくさん描いていて、すごく励まされます。こういうおばあちゃんたちもいるからあせらない。ちょっとくらい仕事がこなくてもあせらない!って。

●生徒さんへのアドバイス

アドバイスを聞いて自分の絵を変えていくというのは、大事なことだと思います。自分というものを持っているべきなんだけど、固執しないで試していったほうがいい。他の人へのアドバイスも必ず自分にあてはまることだから、ちゃんと無駄なく聞いたほうがいいですね。
イラストレーターの仕事は、本屋さんに行けばたくさん見られるし、どんなイラストが求められているか、すごく勉強になるとおもいます。出版だけがイラストの仕事ではないけれど。本も読んだほうがいいですね。イラスト以外にも色々なことに興味を持ったほうがいいと思います。意外なものにヒントがあると思うから。

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得地直美 8期イラスト基礎コース卒業

とくちなおみ…富山県生まれ、京都府育ち。京都精華大学卒業。主に色鉛筆を使ったイラストで、雑誌、書籍などで活躍中。著書に13年『本屋図鑑』(夏葉社)など。
http://www.hitokuchi.com/ ----------

●パレットクラブ スクールに通うきっかけ

大学では、美術とは関係のない勉強をしていたんですが、美術学部があったので図書館が充実していて、そこで和田誠さんの画集を見たりしていました。たまたま授業でイラストを描く機会があって、それが楽しくて「描くことが好きなのかも」って。こっちのほうが面白そうだなと思って、方向転換。それで、イラストの学校を探して見学に来たら、すごく好きだった和田誠さんの授業で、ここに来なきゃと思いました。

●授業

よく覚えているのは、大西重成さんに「あなたは時間がかかると思うけど、人によってペースがある」と言われたこと。あせっていたのが楽になりました。自分のペースでやればいいんだなって。加藤裕將さんの授業では、大きい紙に冷蔵庫を描いて褒めてもらい、気に入ってくれる人がいたことで自信になりました。でも、模写の課題でスタインバーグを模写したら「模写はこんなにできるのに、なんでクロッキーはこんななんだろうね」と不思議がられました。下手だとびっくりされたんです。
今まで描く環境じゃなかったけれど、課題があることで常に描くようになり、何も分からないままパレットに入ったけれど、先生や友達からいろんな刺激を受けられてよかったなあと思っています。

●影響を受けた人

小林泰彦、和田誠、ソウル・スタインバーグ、ベン・シャーン。木村衣有子さん。衣有子さんの著書『もうひとつ別の東京』では、装画を描かせてもらいました。

●仕事

雑誌『天然生活』のタイアップ記事に絵を描かせてもらったのが最初の仕事です。この仕事は、同居人の知り合いだった木村衣有子さんに紹介してもらったんですが、そのときにファイルを持っていったのが始まりですね。
それからセキユリヲさんにファイルを見てもらったら、しばらくして『サルビア給食だより』のお仕事をいただきました。最近は『季刊サルビア』で描かせてもらったりしています。
アノニマスタジオさんの『fu-chi』では、広告ページや特集ページの地図、アノニマだよりのイラストなどを描かせてもらいました。
これからは、小林泰彦さんのような、イラストルポをやってみたいです。誰かとどこかへ行って、そのことを伝えるイラストを描いてみたい。小説の挿し絵もやってみたいです。すごい長い目で見て、新聞の挿し絵もすごい憧れです。あと、清水ミチコさんの連載などですね。好きな人とイラストを通じて関わりたい。

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●個展

デザイナーの横須賀拓さんに「すぐには一緒に仕事をできないけれど、まず個展をやってみれば?」と勧められたんです。
それで2005年に、初めての個展を開きました。それから毎年同じ時期に同じ場所でやらせてもらっています。
第一回は「封筒展」。第二回は「メモ帳に描く」。第三回の昨年は「あこがれの比較的長期の旅行」で、仕事で使った原画と書き下ろしを展示しました。
個展をやってみて、自分にはどんなやり方が合っているのかが分かりました。
私は自分から描くタイプじゃないみたい。何かテーマがあったほうがいいんです。
次は誰かお題を与えてくれる人と一緒にやってみたいと考えています。

●生徒さんへのアドバイス

とにかく課題をやるということ。私も課題をやって見せなかったことがあるけど、原子高志さんに「やらなきゃダメだよ。恥かかなくちゃ」と言われました。今はその通りだなあと思います。課題をやり続けるだけで、生活の中で描く時間が増えます。パレットでの経験を活かすためにも、課題をやること、それと講師の先生の話をよく聞くことがとても大事だと思います。

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左『季刊サルビア』美篶堂のイラスト
表紙イラスト『もうひとつ別の東京』著/木村衣有子(祥伝社)

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前田ひさえ 7期編集コース卒業
まえだひさえ…多摩美術大学デザイン科卒業。イラストレーション誌『ザ・チョイス』171回入選(池田進吾氏審査)。雑誌・書籍や、プロダクト等の仕事のほか、アトリエであるkvinaのメンバーとしてセルフ・パブリッシングなどの活動も行っている。
http://hisaemaeda.com/ ----------

●パレットクラブ スクールに決めた理由

『Olive』誌上の広告を目にしたのがきっかけでした。学校の立地が銀座に近い築地、そんな場所に通うなんていいな、という軽薄な理由もありましたが学生の時、安西水丸先生のイラスト塾に通ったことがあって、それはイラストレーターを目指して、というより、安西先生のファンで、通ったようなものなのですが月1回のカルチャースクールのようなものにも関わらずとても面白かったし、学ぶことも多く、パレットもそれに近そうだな、と思い選びました。
大学ではグラフィック・デザインの勉強をしていましたがどうもデザインに向いていないな、と気付き、でも、何かしら美術に関わる仕事がしたい、と迷い、考えていた頃でもありました。

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●パレットクラブ スクールに通って

多種多様な講師の方々にお会いして、お話を聞けることが、面白かった。先生が大勢なぶん、言うことも異なるので毎週いろんな考えを聞きながら、「自分の気持ちにはこの考えが近いな」とか自分が進んでいくうえでの、指針というか、何を大事にするかということを、すこしずつ、見つけていくことが出来たように思います。
その時は、自分の考えとはちがうな、と思うことがあってもあとあとになって、合点がいくこともあったりして先生の言葉は、それぞれ経験に裏打ちされてるもので、一聴の価値ある、興味深いものだったと思います。
厳しい事も言われたり、時々は背中を押すような事を言ってもらえたり思い返していると、いろいろよみがえってきました。夜の授業だったので、働きながら通えるのも、よかったです。

●編集コース

7期入学の時点では、イラストレーターを目指していました。編集コースにした理由は、編集視点からのお話を聞いたり、使う側から絵を見ていただくほうが自分にとっては面白いかも、という勘で決めました。

当時はまだ、絵を本格的に描きはじめていなかったのですが、描きたいイメージはくっきりしていて、絵を描くうえでの迷いが、あまりなかったせいもあるかもしれません。結果、わたしにとっては、編集コースが面白かったと思います。
ただ、描きたいイメージはあったものの、そのイメージを絵に置き換える技術が、今よりもさらになかったので、のちのち四苦八苦したし、イラストコースでもよかったのかもしれません、笑。
どのコースを選ぶにしろ、自分なりに学ぶことがかならずあって、小さなことでもいいから、自分がいま何を得たいのか意識したり何かきっかけを探す気持ちを持って、通えたらいいと思います。

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『Party Wolves』
音楽/pascal pinon、CDカバー画/前田ひさえ(violet and claire)

●授業

一番印象に残っていて、今もよく思い出すのは、ヒロ杉山先生の授業。自分で何かテーマをつくって、本の形にしてみる課題があってその時、今でいう<ジン>みたいなものを作り、<形にしてみる>をいうことの大事さに気付きました。頭でああでもないこうでもない、と考えていても駄目でとにかく描いて形にするしかない。
「絵を描くならたくさん描きなさい、3日も描かないとへたになる。」ということも、確かおっしゃってて、のちのち、本格的に描くようになったときに、実感を伴いながらヒロ杉山先生の言葉を、思いかえしました。
あと、すぐに役にたつ言葉、というよりも仕事を続けていくうえの態度や、大げさですが、生きていくうえでの態度、そんな言葉が、迷ったときなどに、意外と励みになっていたりします。

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『エルニーニョ』
著/中島京子、装画/前田ひさえ (講談社)

●最初の仕事

2008年に仕事を辞め、イラストレーターの仕事を意識的にスタートして、最初にした仕事は『PAPER SKY』という雑誌のなかで、サルバドール・プラセンシアの小説の、柴田元幸さん訳に、挿絵をつける、というものでした。PAPER SKY編集部から連絡が来て、それまで書店で働いていたこともあって、小説に絵をつけることが、とてもうれしかったことを覚えています。

●仕事

主な仕事は、本の装画や挿絵などです。そのほかにも、細々と何でもやっています。今後、やってみたいのは、絵本。絵本は、文を描ける方といっしょに、1冊まるごと完結した世界を作ってみたい。あと、いつもだいたい2Dの世界なので、平面じゃないものに、絵をのせてみたくて、プロダクトなど、3Dの仕事も機会があればやってみたいです。
また、作家、写真家、デザイナー、イラストレーターの4人からなるユニットkvinaではエスペラント語・英語・日本語の三か国語で本を作ったり、展示をしたり、ワークショップをしたり、という活動を、また、meme(ミーム)という3人ユニットでは布と絵をテーマに表現する活動をしています。どちらもひとりではできないことができ、個人の仕事とはまた別の面白さを感じています。

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『不安な演奏』
著/松本清張、装画/前田ひさえ(文藝春秋)

●影響を受けた人

しぼりきれないのですが...... イラストレーター:宇野亜喜良さん、味戸ケイコさん、安西水丸さん、長新太さん、河村要助さん、nakabanさん
画家:ソニア・ドローネ、バルテュス、マグリット、ムンク、ホッパー、ホックニー、カレン・キリムニク、ローラ・オウエンス、ポルケ、など沢山......
絵本:バージニア・リー・バートン、ガース・ウィリアムス

●生徒さんへのアドバイス

あくまでもわたしの場合ですが、絵は、なにしろ描き続けて、自分で見つけていくしかない、と思います。ぜひ簡単にあきらめないで、続けてほしいです。あと、未完成でもいいから、「今の私の作品はこれです」という、そういうものを持って授業に臨んだほうが、おもしろいと思う。

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吉岡ゆうこ 1期、2期、3期イラストコース卒業

よしおか・ゆうこ…東京武蔵野生まれ、武蔵野育ち。女性誌、広告、書籍、企業PR誌、WEBサイトなどで活動中。
http://www.atelier-fabrique.jp/ ----------

●パレットクラブ スクールに通うきっかけ

小さい頃から絵が大好きで、絵ばかり描いていました。絵だけ描いていれば満足で、小さい頃の夢は漫画家か絵描きさん。中学生のときに漫画家になりたくて、集英社に投稿したりしていたけど、高校生でやっぱり無理かもと。大学に入って、舞台美術を学ぶけど、立体は向いてないからと就職していなかったときに、友達の話で、イラストレーターの道があることに気づきました。学校に行ってイラストレーターになろうと思ったときに、『イラストレーション』で広告を見て、先生も豪華で、当時は審査があって合格できたので、通うことにしました。

●パレットクラブ スクールに通って

1年目は、美術大学に行ったとはいえ、何年も絵を描いてなかったから、1から始める感じで全然分からなくて、手探りの状態。課題もあんまりやらなくて、まじめではなかったです。でも2年、3年目は、イラストの方向性が見えてきて、充実してきました。先生に褒められると図に乗って描いていって、必然的にうまくなるから、自分でいい方向に向いてきたと思います。1年目だとまだ足りないし、2年目だといい時に向かっているときに断ち切られるのがいやで、3年通いました。
褒められるだけでなく、厳しい意見も言われて、万人に好かれるのはありえないから、褒められる言葉だけを聞いてればいいかと。3年目から河村ふうこさん、毛利みきさん、宮本和沙さんと仲良くなって、友達関係も充実して。みんなすごく素敵な絵を描くし、すごく刺激されるし、また刺激を受けて、自分の絵もどうにかしようと思うし。段階を踏んで行って、1年じゃ物足りないし、3年間通ってよかったです。3年目になるとイラストにこなれてきて、友達のイラストもどんどんよくなってくるとあせりを感じて、自分もよくしようとするからすごくいい刺激になりました。友達の存在はとても大きかったです。

●授業

上田三根子さんの授業では、自分の原稿を持ってきて、その場で描いてくれて、どのようにマーカを使えばよいかなどが分かりました。寺井剛敏さんは当時、広告代理店の方だったし、印象で言わないで、指摘も的確。使う人側の意見を言ってもらえるから、参考になりました。そして、著作権やギャラのことなどとても実務的な話をしてくださいました。絵を描くだけじゃなくて、実際に絵を頼まれたときに、

こういうことに気をつければよいのが分かりました。
原田治先生は、「イラストレーションはアートでなくて商業だから、自分独りよがりのイラストを描いてもあまりよくないよ。無理に明るくしなくてもいいけど、商業ベースにのっているのだから、わきまえないと」とアドバイスしてくれました。クライアント、編集者の意見もふまえないとダメなんだなって知りました。これから仕事をしていく上ですごくためになりましたね。授業中にメモしたパレットノート、今だに見返して、まだ参考にしているときがあります。

●最初の仕事

パレットで1期の後に卒展があって、それに向けて自分たちの手作りの作品ファイルを作りました。デザイン事務所や出版社に送ったのですが、卒展の後にオレンジページの方から連絡があって、協力したお店リストの女の子の小さいカットを描きました。当時、同級生の大塚沙織さんが大抜擢されて、ドカーンと出ちゃったから、すごい憧れで、いいなー彼女みたいになりたいと思ってました。仕事をしたら、雑誌はすごい出版数だから、他の出版社の方が見て仕事をもらったりしましたね。
パレットに通っているときは、フリー絵コンテ屋さんのバイトを始めて5、6年続けました。徐々にイラストの仕事も増えてきて、絵コンテ屋さんを平行していくのが無理なので、辞めることにしました。でもその年は収入が激減して、完全にイラストレーターだけに移行したときはきつかったですね。
今年でイラストレーターとして、10年目。何とかやってこれました。10年続けられたら、なんかいいかな。 いきなりイラストレーターになれるのは、ごく一部。最初は小さいカットから始めて、だんだん中くらいのサイズのカットになっていきました。

●仕事

書籍のカバー、会社の会報誌の表紙、東急百貨店、新しくオープンする複合施設、不動産などの広告、WEBサイトなどをやらせてもらいました。イギリスの本のカバーもやりましたね。HPを開設してから、世界中の人が見ているので、これからの人は英語ができるといいと思います。
これからやってみたいのは、絶対にしたいのはCM!動画でアニメーションの形で参加したいな。

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あと、すごい映画が好きだから、絶対!映画の広告のポスターを描きたいです。

●影響を受けた人

映画だと『グランブルー』ですね。ほかにはフランスのイラストレーター、KIRAZ。今も現役で、昔は『PLAY BOY』で描いていました。パリの停留所の大きなポスターを見て知りました。映画の場面を切り取った、ユーモアも交えて、流れの一場面を切り取ったようなイラストが描きたくて、すごく影響を受けましたね。上杉忠弘さん、メグホソキさん、長崎訓子さんからも影響を受けました。

●パレットクラブ スクールの講師を経験して

1回目の時は無我夢中でしたが、前回の3回目のときは少し慣れてきました。人の絵を講評するのは、難しいことでもあるんだけど、自分の絵も見直しているんだなって思いました。自分も生徒だったから、生徒の気持ちも分かるし、褒めるだけでなく、直したほうがいいと伝えなきゃいけないこともある。指摘するというよりも、悩んでいたら、一緒にそのことを解決していこうよ、という気持ちで教えています。厳しく言われて、これはよくないアドバイスだと思ったら、つき放してもよいし、自分の気持ち次第で、自分にとってためになるアドバイスだけを拾ってくれればいいのかなと思っています。教わった生徒の立場から言うと、自分では納得できない意見を言われても、悩むべきだけど、深く考えず、適当に受け流したときがいいときもあると思いますよ。

●生徒さんへのアドバイス

厳しいことを時には言われるかもしれないけど、イラストレーターになりたい気持ちがあれば、すべては自分のためだと思って、目標を立てて頑張ってほしい。最初に立てた目標は最後までやってほしい。強い気持ちがないと絶対実現できない。パレットでは学生だけど、受け身の立場だけでなく攻めていかないと。積極的に授業に参加してほしいですね。そして、独りよがりはよくないから、イラストだけでなく、いろんな作品を見て、絵画から日本画、デザイン書などイラスト以外のたくさんいいものを見れば自分の引き出しにもなると思います。

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wato 4期イラスト基礎コース卒業
わと…岩手県生まれ。イラストの仕事の他に、フードコーディネーターとして三冊の著作本、『anan』『オレンジページ』などの雑誌、新聞、WEB、ラジオ(J-WAVE)等でレシピ紹介、「wato kitchen」名でイベントへのケイタリング業など、多方面で活躍中。
http://blog.watokitchen.com/ ----------

●パレットクラブ スクールに決めた理由

小さい頃から絵を描くことが好きだったので、いつかイラストスクールに通ってみたいと思っていました。そんなある日、当時大好きだった雑誌『オリーブ』でパレットクラブ スクールの広告が目に入り、第一線で活躍されている方々が講師だったので、なんて贅沢なんだろう!これは相当楽しく貴重なお話が聴けるのでは!と思い、入学を決めました。聴講制度も大きな魅力のひとつでした。受講料は私にとって大金でしたが、出来る限り他コースを聴講すれば割安になるし、イラスト以外のお話もたくさん聴けたので、とってもお得ないい制度だな、と思いました。

●パレットクラブ スクールに通って

講師の方々の様々なジャンルのお話を聴くことで、いろいろなことに興味を持つことができ、とても視野が広がりました。絵を上手に描くことよりも何を描くかが問題、好奇心を忘れず日々感動する事が大切だと教わり、今でもいろいろなものを積極的に見たり触れるようにしています。それから、物事を多角的に見る事が出来るようになった気がします。同じ絵でも講師の方によって全く違う講評をいただくことから、答えはひとつじゃない、ということを感じたからです。右から左から、上から下から、近くで遠くで、肯定的に批判的に…いろいろな角度で考えると、ふと新しいアイディアが沸いてきたりします。そういうこともパレットで学びました。そしてそして、気の合う友人に出会えた事も収穫です。10年経った今でも仲良しで、相談したり応援し合える存在です。仕事面でもいい刺激をもらっています。結果的に、パレットクラブ スクールに通ったら、日常がとっても楽しくなりました。

●授業

原田治先生の「絵以外にも、自分の好きな事を見つけなさい。続けなさい。」という言葉が印象的です。私は料理が好きだったので、その言葉のおかげで、絵と料理のどちらかに絞るのではなく、両方を続け、今では料理のイラストのお仕事もいただけるようになりました。得意分野があることで個性を出せるんだと、先生がおっしゃっていたことを体感しています。それからナカムラユキ先生の「売り込み実践講座」。先生が編集者になりきって寸劇をしてくださるのが、本当におもしろいのです! 先生の実体験に基づいているので、とってもリアルで、先生の細やかな気遣いや仕事方法まで見せていただける貴重な授業だと思います。

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週刊『マ・シェリ』
岩手県盛岡市&青森県八戸市の生活情報紙

●最初の仕事

初個展の後、DMを見た編集の方から連絡をいただきました。出身地である岩手県の生活情報紙『マシェリ』に、イラスト入りレシピを描くという内容でした。月に一度の連載なのですが、今でも続いていて、7年目になりました。

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●仕事

最近は、雑誌にレシピを掲載する際にイラストカットも描かせていただいたり、料理関係の取材をしてイラストルポを描いたりしています。今後は、絵がたくさん入ったレシピ本を作ったり、自分のイラストでエプロンやランチョンマット、食器などのキッチングッズが作れたら嬉しいです。

●生徒さんへのアドバイス

パレットクラブは、技術的な事よりも、何を描くかの感性を育てる学校だと思います。ですから課題、聴講、質問などにはぜひ積極的に参加し、普段なかなかお会いできない講師の方々からなるべくたくさんの言葉をいただくとよいと思います。嬉しい言葉も、悔しい言葉も、その時にはピンとこなかった言葉も、気がつけば、宝ものになっているかもしれません。それから、ひとつの授業をより充実させるために、講師の方について事前に調べておくとよいと思います。どんな経歴でどんなお仕事をされているのか、知っているとその方のお話がより深く理解できるのではないでしょうか。せっかくなのでお友達もたくさんできるといいですね。1年弱の短い時間ですが、3年分くらいの収穫がありますように。(今期より講師も勤めます)

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『春夏秋冬ごはん帖』
著/wato(ヴィレッジブックス)

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いとう瞳 2期イラストコース卒業
いとうひとみ…千葉県生まれ。武蔵野美術大学版画コース卒業。書籍、広告などで独特な色使いのイラストで活躍中。02年HB FAILEコンペ・鈴木成一賞受賞。TIS会員。
http://www1.odn.ne.jp/colorparty/ ----------

●パレットクラブ スクールに通うまで

子供の頃からイラストレーターになりたいと思い続けながらも、美術大学では油絵学科を選択し、途中からはイラストレーションの方向を意識して版画コースに進みました。作品制作に対して基本的な技術や技法はこの期間に習得する事ができたのですが、本当に描きたい絵と方向の違う環境だな、というのは実感していました。卒業後も絵を描けるアルバイトをいくつか続け、社会の中で描くという事を経験しましたが、その場で必要とされたのは主に匿名性のあるタッチと早さ。私はそういう仕事を続けていけるタイプではないと感じていたし、大学時代からイラストレーションと壁一枚隔てられたような微妙なジレンマの中にいたので、とにかくまずは一度、イラストレーションのスクールに通ってみよう、と思いました。パレットクラブ スクールは『イラストレーション』誌の広告を見て決めました。

●パレットクラブ スクールに通って

まずイラストレーターという同じ目標に向かっている人達と一緒にいるだけでも刺激になりました。自分への講評はもちろん、クラスメイトの講評も進化も見られる事は、「いろんな絵の中にある自分の絵」という客観視の勉強になったと思います。最初は木版画や版木に描いたり、画材に特徴を持たせた表現方法だったのですが、多くの講師の意見を聞いていくと「どうやら私は色に特徴があるらしい」と気づき、途中からは画用紙に絵具で描くというシンプルな技法になりました。思ってもいない課題が出たり、毎回替わる講師陣に指摘されたり誉められたり、

為されるがままにとにかく通ってみると、川に流されて丸くなっていく小石のように、不思議と自分の中の余計なものが取れていった気がします。

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●授業

デザインをする立場からの講義は、今でも頭をよぎる事があり参考になりました。売り込みに使用する作品ファイルの作り方や、ペンネームに関してなど自分自身の見せ方の話もありましたが、そうは言いつつもやはり所詮仕事は人間性、という社会人としての基本的なお話。また、お題に沿ってその場でパパッと描くというゲームのような授業では、考えすぎないことで自分の本来の絵に気づかされました。「手法が違っても考え方や捉え方でその人らしい表現はできる」という教えも、印象深いお言葉でした。そして、イラストレーターを目指すにあたって、自分をお店に例えるという原田治さんのお話は、実際に自営業として生活していく上ではとても貴重なお話でした。どの先生がどの絵に目を留めてくださるか、それも密かに確認していました。

●最初の仕事

新潮社装幀室の大森賀津也さんが講師でいらしたのをきっかけに、パレットクラブ卒業後売り込みに行き、しばらくして群ようこさんの文庫カバーのお仕事をいただきました。明るく楽しいポップな世界で、挑戦してみたかったタイトル文字も描く事ができ嬉しかったです。そして、卒業生みんなで作った一冊の売り込みファイルからは『オレンジページ』内のイラストマップのお仕事が来ました。

また卒業数ヶ月後にパレットクラブの勧めで『anan』編集部に売り込みに行く事に。自分では女性誌に向いていないと勝手に思い込んでいたので、不安なまま売り込みに向かいましたが、半年以上経った後に、いろいろな女性のタイプを数人描くというお仕事を頂きました。自分の中のイメージだけで売り込み範囲は決めない方がいいなぁ、とつくづく思います。

●仕事

主な仕事は、書籍カバー、雑誌表紙、挿絵、広告などです。書籍関係のミステリーでは少々怪しさを忍ばせたり、抽象的に構成した絵も描いています。俳人・長谷川櫂氏の週刊誌連載で版画の挿絵を担当したのがきっかけでトークイベントに呼んで頂いたり、九州電力のCMでは自分の絵がアニメーションとなって動くという初めての制作現場に緊張したりもしました。今後は新たに、パターンを使用したテキスタイルや、日常的に使うものへ自分の世界を展開してみたいと思っています。

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『小さいおうち』
著/中島京子、装画/いとう瞳、装丁/大久保明子(文藝春秋)

●講師として生徒さんへのアドバイス

卒業して10年以上経った今でも、あの教室に入ると生徒だった当時を一瞬にして思い出しそうですが、私も自分の事を振り返り、身近な立場としてアドバイスが出来たらいいなと思っています。生徒さんには、後々「有意義な時間だったなぁ」と振り返ることができるよう、パレットクラブで大事な何かを見つけて欲しいですね。

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河村ふうこ 2期・3期イラストコース卒業
かわむらふうこ…東京生まれ。清泉女子大学卒業。書籍、雑誌、広告などを中心に活躍中。1999年PATER大賞展PATER賞。
http://www.ma-piece.com/fuko_kawamura/ ----------

●パレットクラブ スクールに決めた理由

イラストレーターになりたくて、どうしたらいいのか…雲をつかむような気持ちでいた時に、偶然、雑誌『オリーブ』に掲載されていたパレットクラブの生徒募集の広告を見つけました。原田治さん、安西水丸さん、飯田淳さん、上田三根子さん…etc.憧れていた方々にお会いできて、学べるなんて!アート・ディレクターの方もいらしたので、実践的なお話もうかがえると思い、嬉しくて、すぐに決めました。

●パレットクラブ スクールに通って

とても刺激的でした。素敵な空間で学べること、すごく嬉しかったです!今になっても一番感謝していますのは、吉岡ゆうこさんをはじめとして素敵な友人にたくさん出会えたこと。人生の宝物です。

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●授業

最初の授業で、原田治先生から「イラストレーターはサービス業です。人に喜んでもらうのが仕事です」…言葉は違っているかもしれませんが、こんな意味のお話をうかがいました。その言葉がストンと胸に落ち、以来ずっと、その気持ちを忘れずに仕事をしています。憧れていた方々に、直に作品を見ていただける幸せ。どの先生の言葉も、今もしっかりと覚えています。仕事を始めるようになった時、その言葉の重さを再確認しました。

●最初の仕事

『anan』読者のお便りページ、モノクロで3×4cmくらいだったでしょうか。電話でご依頼をいただいた時、飛び上がって喜びました。

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『The Little Women Letters』
デザイン/Emma Ewbank、挿画/河村ふうこ(Penguin Books UK)

●仕事

最近は書籍の仕事が多いです。たまにですが、外国からご依頼をいただくようになりました。日本とは少し違うデザインにドキドキします。挑戦したい仕事はたくさんありますが、私の絵が媒体をより素敵に見せる…そんな瞬間に立ち会えることを夢見て、仕事を重ねています。

●影響を受けた人

中高生時代、原田先生のオサム・グッズに囲まれて過ごしました。雑誌『オリーブ』の素敵なイラストレーション…上田三根子さんや飯田淳さん。資生堂の山名文夫さん。トリスの柳原良平さん。大橋歩さんにも憧れました。
海外では、ムーミンのトーベ・ヤンソンさん。『ジス・イズ』シリーズのサセックさん。メアリー・ブレアさん。

●パレットクラブ スクールの講師を経験して

自分が生徒だった頃を思い出して、胸が熱くなります。立場も近いですし、生徒さんの悩みもよく分かりますので、一緒に考えて、学んでいけること…とても幸せです。

●講師として生徒さんへのアドバイス

私の言葉が、生徒さんの心にひとつでも残ったら…こんなに嬉しいことはありません。たくさんの素敵な友達を作ってください。楽しい時は笑い合い、つらい時は励ましてくれるでしょう。真剣に学ぶ時間は、きっと人生の宝物になるはずです。

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『フラワークッキーと春の秘密』
デザイン/川村哲司(atmosphere ltd.)、挿画/河村ふうこ(原書房)

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やぎたみこ 8期絵本コース卒業

やぎたみこ…兵庫県生まれ。武蔵野美術短期大学卒業。イラストレーターのかたわら絵本を学び、第27回講談社絵本新人賞佳作を受賞。『くうたん』(講談社)で絵本作家デビュー。大人も一緒に楽しめる、子供のための絵本の制作を続けている。

●パレットクラブ スクールに通うきっかけ

初めて応募した講談社絵本新人賞の結果が最終選考に残れなかったので、どこか絵本を学べる学校がないか探していたところ、イラストレーション誌に掲載されたパレットクラブ スクール生徒募集の記事を発見。講師欄に昔から憧れていた宇野亜喜良さんの名前を見つけすぐに決めました。

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●パレットクラブ スクールに通って

最初はそれほど本気で「絵本作家になりたい」という気持ちではありませんでした。でも、各講師の先生の講義から目からウロコが落ちるような発見がたくさんあり、ワークショップでは「絵本というものをテーマに遊ぶ」というような課題が多かったので、発想する楽しさを味わいながら作品制作に夢中になって、充実した毎日を過ごしているうちに本気で「絵本作家になりたい」と思うようになりました。他の生徒のみんなもどんどん作品に取り組む気持ちが真剣になっていって、励ましあい刺激しあって良い仲間になりました。課題で作った作品たちはみんな絵本の種になっていると思います。

●授業

荒井良二先生の「その場で絵本のラフを作る」という授業は、時間内に描きあげないと講評してもらえないのでいつもの何倍ものスピードで必死で描いて、終わった後「頭の使い過ぎで頭が痛いね」と私を含めみんな言っていたのが可笑しかったです。
松田素子先生の「子どもの頃から大切に持っている物で絵本を作ろう」という授業では時間内に描き上げることが出来なかったのですが、口頭で内容を発表したところ話しながらお話を組み立てる手助けをしてもらえて、話の内容に入り込みどんどん気持ちが盛り上がっていったのが感動的でした。授業後、作品ファイルを見ていただき迷っていた絵の方向性を決めることが出来、嬉しかったです。
薙野たかひろ先生の「いつも家に転がっているもので絵本を作ろう」という授業で作った『ほげちゃん』という作品はその後、子どもの絵本として作り直し偕成社から刊行され「リブロ絵本大賞」「子どもの絵本大賞in九州」で大賞を「MOE絵本屋さん大賞」で3位をいただきました。課題で作っている時はただ楽しくて夢中になって作りましたが賞をいただける作品になるとは夢にも思っていませんでした。

●最初の仕事

初仕事はパレットに通ったことがきっかけではないのですが、学生時代「日本グラフィック展」に応募した作品が準入選に入ったことがきっかけで『ビックリハウス』(パルコ出版)から依頼を受けました。内容は読者の投稿作品(詩や作文)につける挿絵や高橋幸宏さんのコーナーのイラストでした。当時、生活のために主婦の友社で編集助手のアルバイトをしていたのですが、社内の編集者の人から雑誌や実用書のカットの仕事ももらうようになりました。パレット卒業後の仕事は、講談社絵本新人賞で佳作をいただいたことがきっかけになり『くうたん』(講談社)という絵本を描かせていただきました。

●仕事

最近の仕事は絵本と児童書の挿画や挿絵です。これから挑戦したいのは同じ設定で展開できるシリーズものの絵本と、絵本や児童文学のお話を書いて他の画家さんに絵を依頼することです。

●影響を受けた人

将来、絵を描く仕事につきたいと思い始めた高校生の頃から影響を受けた人を順に思い返すと、宇野亜喜良 金子國義 上野紀子 合田佐和子 パブロ・ピカソ(青の時代 ばら色の時代 アルルカンの時代)ピエール・ボナール 小倉遊亀 鏑木清方 マン・レイ エゴン・シーレ きたむら さとし ジョン・バーニンガム
きたむら さとしさんの『やねうら』『ぼくはおこった』(評論社)は絵本作家になりたいと思い始めた頃「こんな作品が作れるようになりたい」と目標になった作品です。

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『ほげちゃん』
著/やぎたみこ(偕成社)

●パレットクラブの講師を経験して

1回目の授業の時、自己紹介で、「好きな(気になる)生き物、食べ物、場所」を発表してもらい、それらを何らかの方法で調べ、3つを絡めたお話を作り最低一場面の絵をカラーで描いてくるという宿題を出しました。2回目の授業は作品の講評だったのですが、生徒の皆さんが本当に熱心に取り組んでくれた様子にビックリしました。課題の絵の他に生き物について調べて分かったことをレポートにまとめてくれたり、絵本のラフを作ってくれたり、ちゃんと練り込んで作ったのが分かるテキストを書いてくれたり、とても興味深く見せていただくことが出来、嬉しかったです。

●講師として生徒さんへのアドバイス

パレットの卒業生という立場なので、身近な存在としていろいろ聞いてもらえると良いなと思います。実践的な課題は編集者の講師の方々に任せて、私は遊びの延長で楽しく取り組める課題を考えたいと思います。これから入学する生徒さんへ。どんなスクールに入っても自分次第です。最大限、自分の身になるように利用する方法を考えてください。まずは、皆勤、課題に全力投球で。

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クラークソン瑠璃 11期イラストコース卒業
くらーくそん・るり…慶応義塾大学環境情報学部卒。刺繍作品も制作。スパイラル、伊勢丹新宿店、H.P.France Usagi pour toiや米国のポートランドにて展示。SICF14準グランプリ 。
http://www.ruriclarkson.com ----------

●パレットクラブ スクールを選んだきっかけ

子どもの頃から、言葉にならない思いを絵に落とし込むことは多くて、大学も美術系に進みたかったのですが、色々事情があり断念しました。大学時代は自分にはアートの世界は閉ざされたものだと思い込み、絵は一切描きませんでした。でも、社会人になり、やはりどうしても自分のために何かクリエイティブなことをすることを模索していたのでしょうね。期限ぎりぎりか、過ぎてから申し込みました。

●パレットクラブ スクールに通って

「絵でお金をもらうことを現実的に考えて、行動している人がいるんだ」ということに本当に驚きを感じました。自分は「趣味」程度にイラストのスクールに通っているだけだ、と斜に構えていました。実際パレットクラブ卒業後、会社が忙しくなり、絵を一ヶ月に1枚描くか描かないかという状況に陥ってしまったので、まっすぐ、「イラストレーター」に向っていっている友だちがまぶしかったです。仲良しの頼れる友だちは今でもパレットで出会った友人です。

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●授業

印象に残っている授業は、MAYAMAXさんの授業で、「線を書く」という授業です。大きい白い紙に順番に線を描いていくだけなのですが、「人に線を描くのを見られるのがイラストレーターだから、人前で描けなくてどうする!」というような主旨のことを話されていました。

また彼女が言っていたことで「自分らしくないなと思うものは避けて通る。」というのは響きました。世間体を気にしたり、「人並み」であることに気を取られがちな自分に気付かされました。彼女のような生き方の人が目の前にいることで、自分の価値観を揺るがされました。

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iPhone ケース
(cinra.netで発売)

●最初の仕事

最初の仕事の依頼は、実はパレットに通う前に描いた絵でした。自らの結婚式のカードを制作したのですが、それをウェディングプランナーの方がずっと持っていらして、あるカップルが絵を使いたいということでした。「あの・・・一応イラストを描いていたりするので、使用料を頂けたらと思います。」というように手に汗を握りながら電話で伝えました。パレットに通った後は、会社の元上司の方が独立されて、その方の会社のグリーティングカードを描かせていただきました。

●仕事

刺繍のステートメント作品を発表したことから、スパイラルでSTITCH SHOWという展示やH.P.FRANCEの可愛らしいウサギ・プゥ・トワというお店のウィンドウで展示をさせていただきました。またPARCOのロゴスギャラリーでは刺繍のワークショップを開催しました。現代家族の変遷や、女性を縛り付ける「役割言葉」を題材にしていることなどから、大学での講演などもさせて頂き、貴重な体験でした。「イラスト」を意識しての制作をここ3年くらいしていませんでした。私の場合、まずイラストという枠にはまらない、アート表現をすることを自分に許したことで、世界が広がりました。遠回りをしたようですが、2014年になって、またイラストや雑貨など身近なアートを通して、女性をエンパワーしたい、ハッピーにしたい、と思うようになり、営業用のポートフォリオを作りはじめています。

最近は、大きい商業施設のバレンタイン、ホワイトデーのポスターを描かせていただくことができて、自分の絵が大きく引き延ばされてポスターになっているのは嬉しかったです。今までイラストのお仕事は全て絵具の絵です。刺繍の作品をここ3年間作っているので、絵具と刺繍のいい関係のものがつくれないかな、と思って色々試しています。オブジェも作りたいですね!

●影響を受けた人

Olaf Hajekというベルリンのイラストレーター、Maira KalmanというNew Yorkのイラストレーター。2人ともとても知的な方で、絵具の使い方が素晴らしい。あと、ボッティチェリ、ベン・シャーン、中世ヨーロッパのタペストリー。メキシコの派手な教会や、フリーダ・カーロの弱い自分をさらけ出している絵。あと、全然タイプが違いますが、木内達朗さん!

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悶悶WORDS「おひとりさま」
布に刺繍

●生徒さんへのアドバイス

こんな話があります。ある弟子がブッダに尋ねます。「弟子Aは弟子入りしてすぐに悟りを開いたのに、同じ時期に弟子入りした弟子Bは、まだ悟りを開いていないのか?」と。するとブッダは「弟子Aは貧しく身一つで弟子入りした、弟子Bはお金持ちで荷物や家族が沢山あるのだ。それぞれのペースがある。それでよいのだ。」と話しました。パレットでは、子どもの頃からイラストレーターを目指してその一心で上京してきた人、大人になってから絵を描くようになった人、周囲の環境が整っている人、周りのサポートが得られていない人、絵がうまい人、下手な人、本当にいろんな人が集います。そんな中、人と比べず、自分の中のアーティストを大事に、可愛がってあげながら育てていってあげてください。

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高畠那生 6期絵本コース卒業
たかばたけ・なお…岐阜生まれ。東京造形大学絵画科卒業。ユーモアあふれる絵本を制作。講談社絵本新人賞佳作、ピンポイント絵本コンペ入賞。「カエルのおでかけ」で第19回日本絵本賞を受賞。現パレットクラブスクール講師。
http://www.washizukami.com/nao/ ----------

●パレットクラブ スクールに決めた理由

大学を卒業し、漠然と絵を描くことを仕事にしたいと思っていました。でも、何をしたらいいのかわからない。「イラストレーション」誌の広告を見てまずは行ってみよう…と。

●パレットクラブ スクールに通って

週に一度、編集者や絵本作家の生の話が聞けるのはとてもいい経験でしたし、刺激的でした。そのことで一年間やる気が続いたのが一番よかったことかもしれません。

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『バナナじけん』
著/高畠那生(BL出版)

●授業

荒井良二さんの授業が印象に残っています。コピー用紙で本をつくり、全ページの真ん中に穴を開けます。それをきっかけに授業時間内にラフを作るという内容でした。

当時、どのようにお話を作っていけばいいのか迷っていましたが、ページごとにきっかけを作ってあげれば進めやすいことを気づかせてくれました。今でも時々思い出します。

●最初の仕事

デビュー作「ぼく・わたし」(絵本館)が最初の仕事でした。絵本館の有川さんに、偶然お会いしたときに絵本を描いていること伝え名刺を渡しました。“一度見せに来てよ”の言葉を真に受け、後日それまでに描いた絵本ラフをもって出版社へ。絵本ラフを見終わった有川さんが“出版しましょう”と一言。その場で出版が決まってしまいました。絵本ラフは枚数が足りなかったので描き足して出版したのがデビュー作です。

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『まってるまってる』
著/高畠那生(絵本館)

●最近の仕事

絵本をつくってます。出版社からオリジナルの絵本制作の依頼を受けることもあれば、作があるものに絵を描く依頼もあります。どちらも刺激的で楽しい仕事です。今後は机には収まらないほどの大きな絵の制作や、普段持ち歩くものや人形などの立体物、動画など筆を使う以外の仕事にも興味があります。

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●影響を受けた人

安西水丸、トミー・アンゲラー、アーノルド・ローベル、マイラ・カルマン、レッド・グルームス など多数。

●パレットクラブ スクールの講師を経験して

あの建物にいると、生徒だったときのことを思い出します。雨が降ると、講師の方々が何を話しているのか聞こえないほどの雨音だったような気がしていましたが、実際に講師として行ったときに雨が降ったら記憶とは違い静かなものでした。

●講師として生徒さんへのアドバイス

ぼくが受講していたときがそうだったように、できるだけ何かのきっかけ作りをしたいと思っています。教えるというよりは“気付き”がある時間になればいいな。

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『カエルのおでかけ』
著/高畠那生(フレーベル館)

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山下アキ 10期イラストコース卒業
やました・あき…長崎生まれ。活水女子短期大学卒業。07年イラストレーション誌『ザ・チョイス』入選(安西水丸氏審査)。書籍の表紙、雑誌などを中心に活躍中。
http://yamashitaaki.com/

●パレットクラブ スクールを選んだ理由

パレットクラブを最初に知ったのは雑誌『オリーブ』の生徒募集の広告です。豪華な講師のラインナップに心躍りましたが、当時は九州に住んでいたのであきらめていました。しかし京都パレットクラブの九州校に数年通った後、イラストレーションを本格的に始めたいと思ったときに上京し、前から通ってみたかったパレットクラブに迷わず決めました。

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●パレットクラブ スクールに通って

とても刺激になったし、とても楽しかったです。同じクラスの人の作品を観られたり、意見を交換したり、同じ目標を持った人たちに会えて嬉しかったのを憶えています。たくさんの出会いがありました。

●授業

ヒロ杉山さんの授業での『とにかく毎日描く。机の前に座ったらすぐに描けるようようにしておく。食事や睡眠と同じように絵を描く。今日したことは明日に。明日したことは明後日に影響します。自分の絵をどれだけ描くかだけ』という言葉が響きました。

あと、個人的な話になってしまいますが、セキユリヲさんの授業で『イラストレーションを立体にする』という課題のときに、皆さんはブックカバーやパッケージデザインなどの作品のなか、私は描いた絵を間違えて本当に紙粘土で作っていってしまいました。失敗に思えた作品でしたがスタッフの方が声をかけて下さりそこから人の縁が広がっていきました。課題の内容も自分のなかにない新たな分野を発見ができたのでとても印象的でした。

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『Illustrator逆引きデザイン事典』
表紙イラスト/山下アキ(翔泳社)

●最初の仕事

京都パレットクラブの九州校のときにPOSTCARD展に参加していて、それを見た編集プロダクションの方からお声がかかりPHP研究所の小冊子にカットを4点描いたのが最初のお仕事です。売込みをして初めて頂いたお仕事は『edu』という雑誌の表紙を描きました。売込み用に描いて持っていった絵が採用されました。

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『デジタル一眼 撮影早わかりQ&A150』
表紙イラスト/山下アキ玄光社MOOK)

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『わたくし漫画』小説現代より
漫画/山下アキ

●仕事を始めて役立ったこと

私はイラストコースでしたが、イラストレーター、アートディレクター、デザイナー、編集者などの多岐にわたる講師陣のアドバイスが聞けたのは本当に勉強になりました。自分の絵を客観的にみるようになり、自主的に活動していくことを学べたと思います。

●仕事

雑誌の挿絵、書籍の表紙などを中心にお仕事しています。昨年は翔泳社『逆引きデザイン辞典』の表紙ををシリーズで描きました。また漫画デビューをしましたので、漫画でもう少し活動を広げていきたいです。絵本や広告のお仕事も挑戦してみたいです。

●影響を受けた人

安西水丸さん。上田三根子さん。

●生徒さんへのアドバイス

これから絵を始める人、もっとグレードアップしたい人、既にプロの人、色んな方がいらっしゃるかと思いますが、パレットクラブでは第一線で活躍されている先生方のお話が聞けて、プロの意識にはっとさせられ、そのことが数年経って分かってきたりします。どの言葉が心に刺さるかは人それぞれです。受信する力も大事だと思いますので、先生方の言葉をうまく受け取ってオリジナリティを見つけられたら良いなと思います。

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