活躍中の卒業生に聞いたパレットクラブの魅力

シゲタサヤカ

7期絵本コース卒業

しげたさやか…神奈川県生まれ。短大卒業後、印刷会社勤務を経 て、09年『まないたにりょうりをあげないこと』(講談社)で絵本作家デビュー。2010年第2回MOE絵本屋さん大賞・新人賞3位。
http://akamochi.net/

●パレットクラブ スクールに通うきっかけ

雑誌で広告を目にしました。短大卒業後に入った印刷会社を3年で辞め、フラフラと…本当に何もせず1年位ダラダラと過ごしていた時期のことです。特に絵の勉強経験はなかったのですが、絵を描く事が好きでイラストレーターという職業にも憧れていたため、イラストコースに通ってみようかなぁ…と。しかし、じっくり募集要項を読んでいくうちに絵本コースの紹介に心をわしづかみにされました!講師一覧に子供の頃大好きだった絵本作家さんたちのお名前がズラリ!「あの人も!この人も!ここに通えば会えるんだ!」…ということで、かなり不純な(?)動機で絵本コースに通うことを決めました。偶然とはいえこの選択をして本当に良かったと思っています。どうやら私にはイラストレーションよりも、絵本という表現方法が結果的に合っていたみたいで…。

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●パレットクラブ スクールに通って

通い始めて割と早い段階で、本気で絵本作家を目指そうと思いました。授業を受けてみて「絵本って面白い!」と心から思うようになったからです。それぐらい現役の編集者さんや絵本作家さんたちのお話は面白く、グイグイその世界に引き込まれました。それから何よりも良かったことは、一緒に頑張っていけるステキな友達ができたこと。
聴講制度のおかげでコースの垣根も越えて様々なジャンルで頑張っている人たちと出会えました。今でもお互いに刺激し合える良い仲間です。

●授業

編集者の松田素子さんの授業では絵本づくりの基礎となる大切な事をたくさん教えていただきました。「絵本を1冊作るのは家を1軒建てるのと同じ。肝心な土台と柱がしっかりしていなければ、どんなに飾り立ててもアッと言う間にその家は倒壊してしまいます。絵本も一緒。だからまずは柱にあたる“設定やお話”の部分を大切に!」という言葉が忘れられません。今でもこの言葉を思い出しては「この柱(お話)で大丈夫かな? 途中で倒れないかな?」って何百回も文章を読み返しながら絵本を作っています。スズキコージさんの授業では、ものづくりの楽しさを言葉ではなく実際に一緒に手を動かすことで教えていただきました。

●最初の仕事

卒業してすぐに、同じ絵本コースの友人に連れられてソフトバンククリエイティブ株式会社に伺ったのがきっかけで、WEB絵本のプロデューサーに作品を見ていただくことができ、パレットクラブの卒業制作で描いた『おいしいバケモノ』という絵本をインターネット上で公開していただきました。これが最初の仕事です。WEB絵本ということで、アニメーションのような動きやBGM、吉本興業の芸人さんによるナレーションまで付けていただき、とても楽しい作品になりました。商業出版としての最初の仕事は『まないたにりょうりをあげないこと』という絵本です。こちらは講談社絵本新人賞で3年続けて佳作を受賞したことがきっかけでした。

●仕事

昨年『りょうりをしてはいけないなべ』(講談社)という二冊目の絵本を出版することができました。実はこの絵本、デビュー作と同じレストランが舞台で、有り難いことにシリーズ化させていただき、現在は第三作目を描いています。他、以前テレビ神奈川でテロップ制作のアルバイトをしていた関係で声をかけていただき、番組CMのイラストレーションを手がけました。15秒間フルで絵を使っていただきとても嬉しかったです。今後やりたい仕事は、やはりまだしばらくは絵本!「面白い!」って笑ってもらえるような絵本をたくさん作っていきたいです!

●講談社 塩見亮さんとの絵本作り

パレットクラブの講師でもいらっしゃる講談社の塩見さんには、デビュー作『まないたにりょうりをあげないこと』でお世話になりました。基本的にとても自由に楽しく描かせていただきました。しかし、ここぞという大切なポイントから私が道を外しかけている時にはとても分かりやすく意見をしてくださいました。個人的に思い入れのあるシーンでも、塩見さんは「このシーン、いらないです」ってバッサリ(笑)。「ここ描きたかったのになぁ…」なんて内心落ち込みつつも、考え直して別の新しいシーンに差し替えて見てもらったところ「こっちの方が断然いいですね!」って。見比べてみたら「ハッ!本当にこっちの方が面白くなってる!」と描いた本人もビックリ!そういうやりとりを何度も重ねていき、最終的に一番良い形で出版することが出来たので、塩見さんには感謝の気持ちでいっぱいです。そうそう…例の描き直したシーンは読者のみなさんにも好評で「このシーンが好きです」って言われることも多いのですよ。

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『りょうりをしてはいけないなべ』
『まないたにりょうりをあげないこと』
著/シゲタサヤカ(講談社)

●生徒さんへのアドバイス

1 まずは皆勤を目指してください。働きながら通う方も多いので大変だとは思いますが、とにかく授業は面白いです。ためになります。休んだら損しますよ。 2 先生にだけではなく、生徒同士でも積極的に作品を見せ合ったり意見交換をしてみてください。そのうち、ふと気付けばずっと一緒に頑張っていける良い仲間同士になっています。 3 すぐに結果が出なくても諦めないでください。私も最初の絵本を出すまで、卒業してから5年以上かかりました。その間はパレットクラブで得た色々なものに支えられました。本気で描き続けていれば、ジワジワと後から結果はちゃんとついて来るはずです。