活躍中の卒業生に聞いたパレットクラブの魅力

加藤晶子

11期絵本コース卒業

かとう・あきこ…神奈川県生まれ。東洋英和女学院大学卒業。セツ・モードセミナー、あとさき塾などを受講。第35回講談社絵本新人賞受賞。MOE絵本大賞新人賞第4位。現、東海大学湘南キャンパス、非常勤講師。
https://www.atelier-mekuru.com/

●パレットクラブ スクールを選んだきっかけ

入学する何年か前から存在だけは知っていました。あるとき、絵本コースがあることを知って受講を決めました。小学生の頃から絵本作家になりたくて、どうしたらなれるのかよくわからなくて、ずっと自己流で描いていました。とにかく絵本が描きたかったのです。

●パレットクラブ スクールに通って

「毎週、こんな楽しいことがあっていいのか!」と思うくらい楽しかったです。現役絵本作家の方、編集者の方のお話はどれも“実”がつまっていて、楽しくて、毎回興奮しました。

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『クルツのごきげんしゃしんかん』
著/加藤晶子(講談社)

●授業

面白かった授業はスズキコージさんの封筒をつくる授業。色画用紙で好きな形の封筒を作って、持参した布や紙、絵具などでコラージュしました。音楽かけながらのりのりで。今でも持っていますし、その後の作品作りのきっかけにもなりました。お面を作って被り、みんなで築地内を闊歩する授業もあったようですが、その日は行かれなかったことが今でも残念です(笑)。ためになった授業は荒井良二さんのその場でテーマを与えられて絵本を作る授業。その中で「お話の暴走を防ぐ」方法を教えていただいたのが、とてもわかりやすくて、今でも絵本を描くときに実践しています。
編集者の松田素子さんの授業も刺激的でした。1冊、1冊に込められた絵本の面白さを気づかせてくれましたし、絵本と向き合う心構えを教わった気がします。

●パレットで役立ったこと

授業は毎回、メモを取りまくりました。作家にはそれぞれのやり方や哲学がありますが、それらも全部ノートに書いていました。今でも行き詰まったときなどはそのノートを開いて眺めています。不思議とその時は気づかなかったことが、今の自分には突き刺さったりします。

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『てがみぼうやのゆくところ』
著/加藤晶子(講談社)

●最初の仕事

講談社の絵本新人賞に応募して新人賞を頂いたのがきっかけで、デビューしました。パレット卒業後もずっと閲覧用の手製本の絵本とその原画を個展で展示するというスタイルを続けていましたら、ありがたいことに「家でも子どもと一緒に読みたい」と言って下さる方が増えてきました。自分の中ではまだまだと思っていたのですが、「求めてくれる人がいるのなら、そろそろ具体的に形にすることを考えてみてもよいのでは」というある人の言葉に、突き動かされ、まずは、と思い応募しました。賞だけで終わらずに絵本を出版して下さるという副賞がついている点も大きかったと思います。それでも受賞後、約半年かけて応募作品を再構成し、描き直しての出版でした。現在、講師をしている大学の「絵本を作る授業」でも自身の応募時の作品と出版された絵本を比較して教材にしています。

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●最近の仕事

今年2作目の絵本を出版しましたが、今は3作目となる絵本を描いているところです。同じく講談社さんから出版予定です。

●これからやってみたい仕事

物語の挿絵や装丁などは是非、やってみたいです。
でも、頭の中に構想は沢山あるので、とにかく絵本をもっともっと描きたいです。そして将来は自宅で小さい人たちのための図書館(自宅文庫)ができたらよいなあ、と妄想しています。

●影響を受けた作家

アーノルド・ローベル、ジョン・バーニンガム、ユリ・シュリヴィッツ、ドン・フリーマン、堀内誠一、五味太郎、ドゥシャン・カーライ、ニコラ・ベイリーなど多数。

●生徒さんへのアドバイス

私はそこに通うことそのものが目的にならないように自分に言い聞かせていました。通ったからといって必ずしも絵本作家になれるわけではありませんが、プロの世界を垣間みることで絵本と真剣に向き合ってゆく心づもり、覚悟のようなものは得られる気がしますし、自分が目指したいところはどこなのか、気づくきっかけになるかもしれません。以前、担当編集者さんに言われたことですが「扉があったら開けてみる」だと思います。

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敷地内MAP
イラスト/加藤晶子