活躍中の卒業生に聞いたパレットクラブの魅力

中上あゆみ

15期イラストコース卒業

なかうえ・あゆみ…徳島県生まれ。ジャン=ポール・エヴァンパッケージ、無印良品ボトルパッケージのイラスト、広告や装画、絵本「なぞなぞのにわ」の絵などを担当。第34回 ザ・チョイス年度賞大賞 等
http://6cca.jp

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●パレットクラブを選んだきっかけ

小さい頃から絵を描く事は好きだったのですが、自己流なので何処かで習いたいなと思いながらもそのまま過ごしていました。働いている間はたまに描くくらいになっていましたが、7年程勤めたweb製作会社から独立して、フリーでデザイナーを始めて2年ほど経ち少し時間のやりくりもできるようになってきた頃に、やはり絵が描きたいなと思い立ちパレットクラブへ入学しました。

●パレットクラブに通って

やはりご活躍の真っ最中の講師の方々の授業はとても刺激的で楽しかったです。授業後に講師の方に自分の作品を見ていただく機会があったのですが、そのお話もとても勉強になりました。皆様お忙しいのに生徒達に十分な時間を割いて下さり、とても感謝しております。

●授業

数多くあるのですが、黒田潔先生の「好きなものと嫌いなものを描く」という課題で、私は同じ風景で晴れの日と雨の日を1枚づつ描いたのですが、元々は一つの風景でも、見方を変えると色んな表情があるものなんだなと気づく事ができました。そんな風に課題について色々と考える時間が楽しかったです。

●最初の仕事

幻冬舎 文芸PR誌PONTOON(ポンツーン)”装画”コンペで大賞をいただき、PR誌表紙のイラストにもご使用いただき、画料まで頂戴したのが初めてのお仕事でした。

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『なぞなぞのにわ』
文/石津ちひろ(偕成社)

●パレットで役立ったこと

クライアントからお仕事をいただく際には「ご希望」、「決まり事」、「どのような絵が必要か」などがありました。それは講師の方々からいただく「課題」に似ていて実践に繋がっていたように思います。あとは現役のデザイナーさんや編集者さんへ向けて大人数の前で作品のプレゼンをする授業はお仕事でも実際にもそういった事があるので良い経験になりました。今でもこれは苦手ですが…

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『なぞなぞのにわ』の原画

●最近の仕事

最近はパッケージのお仕事の割合が多かったです。ショコラのお店ジャン=ポール・エヴァンの2020年バレンタインパッケージイラストに採用していただいたのですが、商品パッケージの他にもwebサイトやリーフレット、全国の店舗のガラス面や入口にも使っていただき、こんなに大きく幅広く街中で自分の絵を眺める事ができるとは思いもしなかったので、とても嬉しく感激したのを記憶しております。。

●イラストレーターになって

嬉しく楽しい事がほとんどですが、コンペで選ばれなかったり、企画が流れてしまったりでそのまま日の目を見ない仕事も沢山ありました。自分の絵が必要とされないのはとてもショックで、依頼して下さったお客様にも申し訳ないのですが、振り返って反省点や改善点を見出し、また次に繋がるように努めるようにしています。

●これからやってみたい仕事

絵本や住んでいる街や犬についてのエッセイなど、自分の著作物がたくさん持てたらいいなと思っています。

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ジャン=ポール・エヴァン パッケージ

●影響を受けた作家

昔から黒井健さんの絵本「手袋を買いに」や東山魁夷の森の絵など繊細な絵が大好きでした。他には小学生の頃にノーマン・ロックウェルの絵を見て衝撃を受けた記憶があります、ポストカードなども集めていました。

●生徒さんへのアドバイス

私の場合パレットに通っている頃は、絵は描きたいけど具体的に何をどんな風に描きたいかが定まっていませんでした。パステルやアクリル絵具、色鉛筆など色々な画材を試したり、先生のお話や講評などでたくさんのアドバイスや絵について考える機会をいただきました。講評内容によっては少し自分の好みや考え方とは違うかなと思う場合もあるかもしれませんが、一旦取り入れて試すことを繰り返すと自分が描きたい絵が見えてきたり、近づいていけたりするのではないかと思いました。

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無印良品 パッケージ